ここではまず貴金属の種類と、それぞれの特徴をお伝えします。
オーダーメイドだからこそ、十分に素材にも気を配って個性的なジュエリーを手に入れましょう。
貴金属とは
日本で定められている貴金属は、金、銀、プラチナ、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、ロジウムの7種類です。
その中で、金、銀、プラチナはよくご存じでしょう。
あまり聞き慣れないかと思われる、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムは、プラチナとほぼ同様の性質を持ち、プラチナと合金されて使われます。
また、ロジウムはホワイトメッキ(銀色のメッキ)に使われます。
以前はこれに加えて銅が貴金属とされていた時代もありました。
伝統工芸では今でも銅を使って、大変に高度な技術を持って装身具をこしらえます。
ジュエリーの品位とは
「品位」というと、品格とか、人格とか、人柄の高潔さを表す言葉を思い起こされるかもしれません。
ここでいうジュエリーの「品位」とは、地金の品質を表します。
日本の造幣局が定めた貴金属類の純度はいくつか決まった物があります。
下の表は、プラチナ、金、銀のそれぞれの割合です。
プラチナ (元素記号 Pt) | 金 (元素記号 Au) | 銀 (元素記号 Ag) |
999‰ (表記 Pt999) | 999‰ (カラット表記 K24) | 999‰ |
950‰ (表記 Pt950) | 916‰ (カラット表記 K22) | 950‰ (表記 SV950) |
900‰ (表記 Pt900) | 750‰ (カラット表記 K18) | 925‰ (表記 SV925) |
850‰ (表記 Pt850) | 585‰ (カラット表記 K14) | 900‰ (表記 SV900) |
416‰ (カラット表記 K10) | 800‰ (表記 SV800) | |
375‰ (カラット表記 K9) |
※ ‰ →パーミル・・・1000分率のこと 850‰=850/1000=85%
表をご覧になっただけではわかりにくいと思いますが、
例えばプラチナの装飾品では、
純プラチナ(ほぼ100%近く含まれる)はPt999、950パーミル含まれるプラチナ製品はPt950、
900パーミル含まれるプラチナ製品はPt900、850パーミル含まれるプラチナ製品はPt850、と表記されます。
そして、造幣局は貴金属としてのプラチナ製品は上記の4種類だけを認めています。
(時々、その認定は変ることがあるので、現在の種類とは違うかもしれません。ご了承ください。)
カラット = K
もう一つややこしいのは、金のカラット表示です。
K18とか、K14とか、ご覧になることが多いと思いますが、
例えばK18というのは、金属の中にAu(金)が750パーミル含まれているという意味で、このKの記号を使うのは日本の慣習です。
海外では同じ品位のジュエリーを単に「750」と表記する事が多いようです。
(K18の18とは、18/24=75%を表しています。)
刻印について
それぞれの品位をご理解いただけましたら、お手持ちのジュエリーをご覧になってください。
18金と言われる品位のジュエリーでしたら、きっとK18、もしくは750と刻印が押されているのでは無いでしょうか?
もしそこに日本の国旗(日の丸)のマークが入っていたなら、それは日本の造幣局が認定しているという印です。
太鼓判が押されていますね。
確かな品質の証拠であるために
私たちジュエリーを製造する立場にある者は、製品を造ったら、その金属の品位を表す刻印を押すことが決められています。
趣味で作る場合は押さないこともあるかもしれませんが、後々のことを考えて、刻印を押すのは制作者の責任と考えます。
そして、決して故意に違う品位の刻印を押すことはあってはなりません。
また、定かで無ければ押してはいけません。
そこはジュエリーを商品として扱う者の務めです。
そして信用していただかなければなりませんので、間違った、無責任な仕事をすることないように精進していかなくてはいけないと日々思っています。