よく見かける逆三角形にカットされたダイヤモンドのイラストはその中の一つで、ブリリアントカットと言います。
宝石のカットにはその他にもまだまだいろいろな種類があります。
ここでは宝石の多彩なカッティングについて解説します。
*宝石の形についてはこちら→【宝石の形の種類】
宝石のカットは大別して3つの種類に分かれます。
- ファセットカット
- カボションカット
- そのほか
宝石を複数の面でカットする方法です。
切子状にカットされた一つ一つの面が光を反射するので、キラキラと輝いて見えます。
・ブリリアントカット
最も宝石が美しく輝くように計算されて考案されたカットです。
通常58(57)の面から作られていますが、最近ではカットの数もさらに増えて128面体などもあります。
ラウンドブリリアンカットはダイヤモンドのカットに多く使われます。
ラウンド以外にも、オーバルやマーキースなど、いろいろな形状の石に施されています。
・ステップカット
横から見ると階段状にシェイプされたカットで、四角い形状の石に施されることが多いのですが、あらゆる形状の石にも見られます。
上面から見ると下部のカットが透けて見えて、複雑な内部反射が見られます。
よく見られるものにエメラルドカットがあります。
・ミックスカット
ブリリアントカットとステップカットを組み合わせたカットです。
上面から見ると四角いプリンセスカットは、ブリリアントカットとステップカットが組み合わさっています。
そのほかにもバリオンカットやトリリアントカットなどもミックスカットに入ります。
カボションカット
石の表面を面取りせず、曲線でドーム状にふっくらと磨き上げたカットです。
外形はラウンド状ばかりではなく、ペアシェイプやハートなど、いろいろあります。
ブリリアントカットのように、面で作る光反射の輝きは期待できませんが、つるりとした局面に仕上げることで石の持つ独特な効果を引き出すことができます。
特殊効果の例
・シャトヤンシー効果・・・キャッツアイともいわれ、猫の目のような細長い光が浮かび上がります。
・スター効果・・・アステリズムともいわれ、カボションのドームの中に4条、6条、8条、12条などの星が現れます。
底面が平らなものをシングルカボション、底面も曲面になっているものをダブルカボションと言います。
上記の特殊効果を最大限に発揮するために、カボションの裏側は研磨がされていない場合もあります。
単に雑な仕上げではないということを知っておいてください。
・ビーズ
石に貫通穴が開いているものをビーズと言います。
・カメオ、インタリオ
表面に浮彫が施されているものをカメオと呼びます。
貝殻や大理石などに施されています。
インタリオは裏側に彫りを入れることで透明な表面から模様を透過させてみることができるようにしたものです。
琥珀の裏側などに彫り込まれています。
・デザイナーズカット
伝統的なカッティングスタイルに縛られずに自由な発想でファセットなどを組み込んで作るカットです。
また、現代はカッティングのための人的技術、機械的技術、計算技術の発達で、無限の可能性が生まれました。
カットの仕方で宝石の印象が変わるという点をお判りいただけると幸いです。