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刻印について

お手持ちのジュエリーにはどんな刻印が押されていますか?
虫眼鏡を使わないと見えないくらいの小さい文字で、何と打たれているのかすらわからないということもあるでしょう。
ジュエリーの刻印にはどのようなものがあるのか、そしてそれはそんな意味があるのかについてご説明します。
こちらの記事と照らし合わせてみれば、今まで解読できなかった刻印も、その正体がわかるかもしれません。
貴金属の種類

日本で定められている「貴金属」はプラチナなどの白金属(プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム)、金、銀の8種類です。
銅も貴金属とされていた時代もありましたが、現在は残念ですが、銅は貴金属と認められていません。
この、プラチナ類、金、銀をある一定以上の割合で含む製品は、含有量別の刻印が押されます。
この含有量の割合のことを品位と言いますが、貴金属の品位はJISによってきめられています。
JIS の貴金属に関する基準はISO(国際規格)の基準に準拠しているので、海外でも通用する規格です。

品位の刻印・いろいろ

ジュエリー製品にはそれが、どこで、誰によってどのように作られ、材料は何なのか、仕上げはどのようにされているのかを表す刻印が押されます。
多くの場合は、ブランドマーク(誰が作ったか)、金属の品位(材料)、石とその重量(材料)、が刻印されるのみです。
JISの基準は以下の通りなので、その基準に合った( )内で表示したものなどを刻印するのが一般的です。
(数字の後の記号‰は、パーミルといって、1000分率です。例えば375パーミルは375/1000という意味)

金 ・・・ 375‰(K9)、 585‰(K14)、 750‰(K18)、 916‰(K22)
白 ・・・ 850‰(Pt850)、900‰(Pt900)、 950‰(Pt950)
パラジウム ・・・ 500‰ 、950‰
銀 ・・・  800‰(SV800)、 925‰(SV925)

金属の材質を表すK Pt SV の代わりに、Au Ag などの化学記号や、手彫りの文字で金、銀、白金(プラチナ)などと入れてもよく、珍しいものでは

純金(999‰以上の金)
純銀(999‰以上の銀)
純白金(999‰以上のプラチナ)
亜純金(997‰以上999‰未満の金)
亜純銀(997‰以上999‰未満の銀)
亜純白金(997‰以上999‰未満のプラチナ)
足金(990‰の金)
足銀(990‰の銀)
足白金(990‰のプラチナ)   などがあります。
「足」なんて押されていても、何かの間違いかと思ってしまいますよね。

その他に、日本の国旗やひし形の中に数字の入ったマークが存在します。
日本の造幣局から認められた製品についた品位マークです。
現在はこのようなものがつけられています。

これらをホールマークと言いますが、海外の製品にもそれぞれ個性的なホールマークがあります。
各国の政府が品質を認めている製品なので、もし訪問先の海外で購入のチャンスがあったら、ホールマークを確認してみると良いですね。

紛らわしい表示

刻印にはそのほか、複数金属の合金の割合や色調などの表示をすることが可能とされていますが、よくあるものとしては仕上げの方法を記したものです。

・Au,Ag,G,Ptなどの品位の後にPIPが付く・・・K18P など
(Pはプレートの意味で、K18Pは18金のメッキが掛かっているということになります。)

・Au,Ag,G,Ptなどの品位の後にGFRG、 Fが付く・・・Pt900F など
(Fはフィルムの意味で、薄い張り合わせとなります。SUS Pt900Fは、ステンレスの上にプラチナの膜が張ってあるものです。)

これらのメッキの記号が、地金そのものの品位を表しているかのように誤解する場合もありますので、十分お気をつけてください。
誤解と言えば、Pt(プラチナ)の記号にもお気を付けください。
前述のように、貴金属は‰(パーミル)で表すので、もしPt90と記されていたら90‰です。9パーセントがプラチナとなります。
あえて誤解を誘発するような説明のある商品も散見しますのでくれぐれもお気をつけて。

古い刻印も

刻印制度は5年程度をめどに、常に見直されています。
実際私が昔、教習を受けた時の教本は、今とはかなり違う内容になっています。
また、ジュエリーは代々受け継がれる性質があります。
時代の古い貴金属製品が見つかることもあるでしょう。
すると見たこともないような刻印が押されていることもありますし、頻繁に使用されていればいつの間にか消えかかってしまって、ますます不可思議な形状に見受けられることもあるでしょう。

刻印は、それが何かを教えてくれる情報です。
ぜひ楽しみながらいろいろな刻印を探してみてください。

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