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エメラルドの歴史と有名なジュエリー その2

5月の誕生石であるエメラルドについて、その歴史と、歴史的価値を持つほどの素晴らしいエメラルドをいくつかご紹介します。
ダイヤに勝るとも劣らぬエメラルドの希少性と美しさを感じ取っていただければ幸いです。

◆エメラルドの歴史と有名なジュエリーの記事 その1はこちら

 

ダイアナ妃のチョーカー
 
故・ダイアナ妃の身に着けていたチョーカーの一つにエメラルドのチョーカーがあります。
これは現英国女王・エリザベス2世のおばあさまに当たるメアリー王妃が身に着けていたという、王室ゆかりのジュエリーでしたが、エリザベス女王がダイアナ妃にロイヤルファミリーの一員になったお祝いとして譲ったものでした。
メアリー妃在位の1910年ごろはちょうどアール・デコの時代でしたので、このチョーカーも時代に沿ったものということでしょうか。

ダイアナ妃もお気に入りだったと思われ、何度か身に着けている姿が残されています。
ところが、1985年、チャールズ皇太子とともに訪れたメルボルンのガラ・ディナー・ダンスの会での出来事。
ドレスを着替える途中、このチョーカーを本来ならば着付け係のものが首に着けてくれるところを、よほど慌てていたのか、自身で頭からかぶろうとしたため、(当然のことながら)途中で鼻に引っ掛かってしまい、それをきっかけに、ヘッドピースとして使ってみるというアイディアが浮かんだといいます。
会場に現れたダイアナ妃は頭部にエメラルドのチョーカーを着けた姿で、その斬新なファッションに称賛の声が上がったのですが、後日それを知ったエリザベス女王は伝統に背いたということで大変に腹を立てたということでした。

因みに、現在このチョーカーは一部解体され、そのうちの2個のダイヤはメーガン妃の婚約指輪に使用されています。
 

エメラルドの聖杯
 
キリストの最後の晩餐で使用された聖杯は、エメラルドでできているという伝説があります。
言い伝えによると、この聖杯は磔刑にあったキリストの血を受けたとされ、聖遺物の一つとなっています。
その後、高い丘の上に保管され、キリストの守護団によって守られているといわれています。
この聖杯は全くの純潔のものにしか見ることができず、そのために誰の目にも映らず行方が分からなくなっているとされています。

また、アーサー王の物語では、円卓の騎士たちが探しているのもこのエメラルドの聖杯でした。

この伝説の聖杯については時折本物が発見されたとニュースになるものの、結局は偽物と判明され、いまだに実物は存在が認められていません。
けれども熱心なキリスト教信者の間では、必ずや存在するに違いないと考えられています。

 

パトリシアエメラルド
 
パトリシアエメラルドは、632カラットのエメラルドの結晶です。
1920年にコロンビアで発見されました。
現在アメリカの自然史博物館にあります。

 

ファラー王冠

 

イランのファラー・パーレヴィ王妃が国王の戴冠式の時に使用した王冠で、ダイアモンド1,469個、エメラルド36個が用いられ、総重量1.48㎏あります。
この王冠は、ファラー・パーレヴィ皇后の戴冠式のために、1966年に世界の主要な宝石店からイラン政府が公募してデザインを募ったものとなります。
使用する宝石はイラン中央銀行の金庫に保管されているものに限るという条件のため、デザインが採用されたヴァン・クリーフ・アンド・アーぺルのデザイナー、ピエール・アーペルは、宝庫室の中に特別にしつらえた作業所で半年間にわたる制作期間を経て王冠を完成させたいわれています。

完成された王冠は、中央のエメラルドは150カラット、そのほか1469粒のダイヤ、36個のルビー、それと同数のエメラルド、105個のパールが使われています。
歴代の王が被った王冠の中で最も威厳のある王冠と言われています。

 

以上、歴史上に名が残るいくつかの有名なエメラルドをご紹介しました。
ここにご紹介したエメラルドはそのほんの一部にしかすぎません。

エメラルドはその美しさと希少性ゆえに、ダイヤモンド以上の価値を持つものも存在します。
そして良質のエメラルドが取れる鉱山ではいまだに紛争が絶えないという事実もお伝えしておきます。

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