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素材・シルバーについて

ジュエリーをオーダーするとき、最初に決めるのは地金だと思います。
上手に選択していただくために、各種貴金属、それぞれの性質をご説明します。
ここでは銀(シルバー)について取り上げます。
シルバージュエリーの特徴

 

1 色は特徴的な銀色

ピカピカつるつるに磨き上げたときは、いわゆる「銀色」、駅の手すりや水道の蛇口、100円玉と同じような金属に見えます。
ただ、よく見比べてみると、やや黄みのかかったような落ち着いた銀色なんです。
ホワイトとオフホワイト程度の違いです。
その僅かな銀色(ぎんしょく)の違いがシルバー製品の持ち味といえます。
そして梨地仕上げを施すと、より白さが際立ちます。
他の金属には無い独特なやさしい色味です。

 

2 変色しやすい

シルバーそのものは酸化しやすく、ジュエリーを放置すると数ヶ月程度でだんだん表面が黒く変化します。
指輪やネックレスなどを身につけたまま温泉に入ると、硫黄などの成分に反応して、一気に真っ黒になることもあります。

対策
・研磨剤入りのクロスでキュッキュッとこすると、意外と簡単に黒ずみが落ちます。細かい溝の黒ずみが拭き取れず残ることがあります。その残った黒ずみは「良い味」となることもあります。まさしくジュエリーを育てる感覚ですね。
・また、直接つけ込むクリーナー水溶液も販売されています。但し、繊細な宝石(オパールやターコイズ、真珠など)が付いている場合にはお使いいただけないことがあります。
・毎日身につけていることで、日常的な摩擦により変色しづらい状況になります。日常使いがおすすめです。
・時々装着するのでしたら、使わないときはチャック付のビニール袋に入れて保管してください。酸化をかなり防ぐことができます。
・メッキ加工をされるのもおすすめです。独特の色味はメッキにより隠れてしまいますが、酸化は防ぐことができます。宝石を留め付けた繊細なデザインのジュエリーには特におすすめします。
※銀色のメッキ剤はロジウム(プラチナの仲間)が使われています。

 

3 軽い

3つの貴金属(プラチナ、金、銀)の中で、最も比重が軽く、シルバーはとても軽く感じられます。
同じ体積で比べると、銀(シルバー)を1とすると、18金は約1.5倍、プラチナは約2倍の重さがあります。

健康なときはあまり気にならないことですが、体調が良くないときには身につけているジュエリーやアクセサリーの重さがストレスになることもあるので、そんな時にはシルバーのジュエリーが役に立つちますよ。

また、特に重さが気になるアイテムは、ブローチやピアス、イヤリングです。
真冬のしっかりしたコートには重めのブローチは付けられますが、軽いカーディガンやブラウスには軽くて小さいものでなければ付けられないこともあります。ブローチの重さで生地がたるんでしまうからです。
そして耳飾りについてはご想像の通り。
重たいイヤリングはネジをしっかり止めないと落ちてしまいますし、強く止めると苦痛です。
ピアスについては少しでもキャッチが緩んでいると落ちて無くす事、引っかけて耳たぶを傷つける事の両方の危険性があります。
それらの困り事を避けるためには、ジュエリーは少しでも軽い方が良いでしょう。

 

4 価格

毎日の価格変動を見ていても、貴金属の中では銀が最も安価です。
日々のマーケット価格ではここ数年見る限りずっと100円/g未満です。
金は5~6000円/gすることを考えると、かなり気楽に購入できますね。

 

5 アレルギー

「シルバー製品はアレルギー反応が出るので身につけられない」とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。
3つの貴金属の中では確かに反応が出やすい金属です。

シルバー製品でアレルギー反応が出るといった場合、3つの可能性が考えられます。

① 銀(Ag)そのものがアレルギー反応を起こす

アレルギー反応が出る金属がある場合、その金属を皮膚から遠ざけるしか対処の仕方はありませんから、もし身につけるならブローチなどの直接皮膚に触れないアイテムに限定してお使いください。

② シルバーアクセサリーの材質の中で、銀(Ag)以外の成分がアレルギーを起こす

シルバーアクセサリーの装着で皮膚が明らかにかゆくなるのに、皮膚科で金属アレルギーをお調べになってみると、銀では反応が出ない事があります。

その場合、そのシルバーアクセサリーの材質が疑われます。

銀と合金されているその他の金属に問題があるかもしれないということです。
特に海外で生産されたシルバーアクセサリーには、アレルギー物質といわれる金属が合金されていることもあり(例えばニッケルやコバルトなど)、反応を起こしている可能性があります。
対処としては、合金された材質が正確にわかる製品をお求めになることです。
当アトリエでは、金属を合金する国内の工場から直接、地金を購入してジュエリーを製作しています。
事前に確認されたい場合はお問い合わせください。

③ 銀色のメッキの成分がアレルギー反応を起こす

銀色のメッキは、大体はロジウムメッキ(プラチナとほぼ同類の金属であるロジウムがコーティングされているもの)です。

素材は銀でも、表面にロジウムがコーティングされているので、皮膚に接触するのはロジウムと言うことになります。

ですが、ロジウムメッキには下地材を使うことがあり、その材料にニッケルを用いる事が以前はありました。
下地を入れる事で僅かながら厚みが増し、よりしっかりしたコーティングができるという利点があるのです。

けれども、皮膚に接触しているうちに、汗によって金属が僅かずつ溶けていき、薄い被膜となっているロジウムの下に隠れていたニッケルが溶け出してくる事があり、それがアレルギーの原因になるのです。

私の知る限りでは、現在国内のメッキ工場でニッケルの下地材の使用は禁止されています。
ただし、海外生産のアクセサリーには使用されている可能性があります。
やはり生産工程や素材がはっきりと解る製品をご購入することが大切ではないかと思います。

 

以上、思いつく限りの、シルバーの特徴を挙げて見ました。

素材選びの参考になれば幸いです。

 

 

 

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