ジュエリーをオーダーするとき、最初に決めるのは地金(土台になる金属の種類)だと思います。
上手に選択していただくために、各種貴金属、それぞれの性質をご説明します。
1 見た目の印象
ゴールド素材のジュエリーは、見た目も品質も、一言で言ってゴージャス。
パッと見ただけで輝く黄金色、そして手にしたときに感じる重量感。
ここぞというときに使いたい、ステータスを感じさせるジュエリーとなります。
色もいくつかあり、イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドなど、品位はそのまま、用途や好みに応じて選ぶこともできるので、上質であるながら目立ちにくいものといった需要にもお応えできる素材です。
2 変色しにくい
一般に金属は、空気中の酸素と結合して酸化(錆び)していきます。
ところが金は、ほかの金属と違って錆びない(錆びにくい)ことが知られています。
古代エジプトのファラオのお墓にもたくさんの金の装飾品が棺と一緒に埋葬されていたことが知られていますが、それこそがいつまでも輝きの失せることのない金の永遠性を象徴していますね。ジュエリーに仕立てた金も同様に、面倒なお手入れを頻繁に行わずに、長期にわたって金の輝きを維持することができます。
まさしく永遠に美しいジュエリーとなってくれます。
3 重量感
金はほかの金属に比べて、比重(1㎤の水の質量との比較数値)が重いのも一つの特徴です。
多くのアクセサリー素材に使われる真鍮は比重が7~8程度。
それと比べて銀の比重はだいたい10くらい。
さらに金の比重はおおよそ20くらいあります。
要するに、同じ大きさのリングでも、真鍮のアクセサリの指輪と、金素材の指輪では、重さが違うのです。
価格
話がかなり広がってしまい恐縮ですが、こちらのグラフを載せてみました。
過去50年の金の価格の変動を表しています。
なぜこんな難しいことをご説明するかと言いますと、実際、私たちジュエリー業者の悩みの一つだからです。
一言で言って、「金、どこまで高騰!?」といったところです。
世代にもよりますが、昔の価格を知る者にとっては金の扱いの難しさを感じてしまいます。
またそれだけでなく、金が高騰すると社会に不安定感を増すように感じられるのです。
グラフをご覧になると、1980年ごろに今に近いくらいの高騰を見ることができますね。
このとき何が起こったかというと、イラン・イラク戦争が勃発。
「有事の金」といいますが、社会にきな臭さを感じると金が高騰する、ということでしょうか。
金価格は社会情勢ととても深くかかわっているのです。
だからこそ、ゴールドジュエリーは財産として持っておいて損はないとも言えるかもしれませんね。
ジュエリー素材として使う金1 K18とは
ジュエリー素材としてよくお聞きになるK18という言葉。
これは、金の品位を表しています。
品位とは、金属の場合、その主要な成分の含有率を言います。
JISで企画されている品位は数種類あり、一般的によく使われるのは
K18・・・(Au75%以上)
K14・・・(Au58.5%~)
K10・・・(Au41.7%~)
辺りでしょうか。
当アトリエでは、ゴールドジュエリーとして扱っているのはK18となります。
金(Au)の含有率75%以上の品物です。
K18は75%金(Au)で、他の金属が合金されているのですが、そこに銀や銅を入れることでホワイトゴールドやピンクゴールドになります。
イエローゴールドと言っても、青金や赤金と言われる、ちょっとほかの色味を持つゴールドカラーの素材もあります。
もし細かいこだわりがありましたらご対応することは可能です。
2 メッキという手段も
軽々しく申し上げるとご批判もあるかとは思いつつ、おしゃれをできるだけ安価に楽しむ方法の一つとして、銀素材に金メッキを施すこともご提案したいと思います。
詳細はメッキの項目でご説明しましたが、当アトリエでは、シルバージュエリーにメッキ処理をおすすめしています。
それはシルバー素材の欠点をカバーする目的でご提案していますが、金素材の代わりとしての金メッキももちろんありだと思います。
宝石によって、また、お好みのファッションによって、ゴールドカラーでジュエリーを作りたいということもあると思います。
そんなとき、ご予算が難しければ躊躇なくメッキ加工をご依頼ください。
当アトリエでは金メッキはK18を使用しています。
安心してお使いいただけます。