ジュエリーメイキング

代表的な石の留め方

【Atlier Pindot】のサイト内では、留め方の名称をしばしば記載しています。
名称だけではわかりにくいので、ここではジュエリーに宝石を留め付ける方法の代表的なものを挙げてご説明します。
構造的にも見た目にもそれぞれに違いがあることがわかると、ジュエリーのオーダーメイドが、より楽しめるようになるはずです。

 
爪止め

 

石の土台に、爪と呼んでいる突起を据え付け、石をひっかけて固定するイメージの留め方です。
リングの中石、脇石、ともに頻繁に使われる方法です。
エタニティーリングにもこの留め方を使うこともあります。
 
2本爪
 

SV925/ブルーQZの剣腕リング

文字通り、2本の爪で石を留めています。
もちろんしっかり留めて、引っ掛かりの無いように丁寧に磨いて仕上げるのですが、いかんせん2本のみで固定するので、緩みやすく、長年の間に石が欠落することも多いのが欠点です。
 
3本爪
 

SV925/アメシスト&サファイアリング

ラウンドカット(丸い石)の石にもこの方法で留められますが、ハートシェイプ、トリリアントシェイプ、ペアシェイプ、ティアドロップなど、3角形に近い形の石には3本爪留めが使われることがほとんどです。
 
4本爪~
 

オーダーメイドジュエリー【Atlier Pindot】

K18/ルビー、ダイヤモンドリング

4本、5本、6本、など、何本でも組み合わせられます。
爪は構造上必要なパーツですが、デザインのうちとも考えるので、あえてたくさんの本数で留めてもおもしろいものです。
ちなみにこちらの画像の脇石のメレダイヤは3本爪で留めています。
 
ふつうの爪止め
 
「普通の爪留め」という名称はないのですが、宝石を留める際は、まず石にぴったり合う土台を作ります。
そこに爪をロー付けという方法で張り付けていくのが基本の作り方となります。
その工程がわかりやすく作られたのがこちらのリングです。

SV925/ムーンストーンリング


 
立て爪(ティファニーセッティング)
 
上記の留め方のほかにもこういった指輪もよく見かけるのではないでしょうか?
日本にはアサガオ爪なんていう名前もあります。
根元から直接爪を削り出しています。爪の数は3本~6本くらいが適当なところでしょう。
因みに、立て爪=ティファニーセッティングではありません。
ティファニーセッティングが立て詰めの一種であるといった方が正しいでしょう。
最もダイヤモンドを美しく見せることができるといわれたティファニー社考案の留め方がティファニーセッティングです。

立て爪リング


 
覆輪止め(=伏せ止め、伏せ込み)
 
ファセットカットの石を留める

SV925/QZ一粒リング

覆輪留めは、爪ではなく、土台の金属が石をくるりと巻き込むようにして留める方法です。
石の際を一周覆ってしまうので、石の場面が小さくなってしまうのが欠点とも言えますが、逆に全体的に一周分大きくなってもいますね。
こうやって石を留めると外れる心配がありません。
引っ掛かることもなく、シンプルで近年人気の留め方です。こちらの画像は、覆輪の淵にミルグレインの装飾を入れています。
 
カボションカットの石を留める
 

つるりとしたカボションカットの石には、この覆輪止めが定番です。指輪の中石を低くセッティングしたいときに使える留め方です。
 
堀留(ほりどめ)
 
堀留とは、土台の金属に穴を掘って、小さな爪を掘り起こして石を留め付ける方法です。
爪留めが、本体を作るときから石座と爪を作るのに対して、堀留は本体の「つくり」が終わってから石の置き場を掘り出します。
石に合わせて正確に作業していかなければきちんと止めることができないため、経験と技術が必要な留め方です。
工房によってそれぞれの道具の使い方や技法の名称など多少違いがあります。
 
ちょん留め
 

正式な名称はなく、職人ごとに違う呼び名を使っているようです。
このようなメレ石は、本来独立して1個だけ留めることがほとんどなかったからです。
メレ石は連続で、また、密集させて留めるものだったのです。
 
パヴェセッティング
 

オーダーメイドジュエリー【Atlier Pindot】

SV925/広幅QZ彫り留めリング【ダルメシアン】

この画像は正式にはパヴェとは言いません。「キラキラ留め」という人もいます。少ない石で面を埋めるように見せかける、代表的な「なんちゃってパヴェ」ですね。
本来パヴェは「石畳」のことで、面に対して宝石でびっしりと埋め尽くすイメージで、隙間なく留めていくのが本当のパヴェ留めです。
 
一文字留め
 

オーダーメイドジュエリー【Atlier Pindot】

SV925/QZエタニティリング

一文字留めは、小粒の石を一直線に並べて作るリングの技法(デザイン名)です。
その中でも一周全部を石でつなげるものをフルエタニティ、半分をハーフエタニティ、1/4だとクオーターなどと言います。
フルエタニティと言っても、内側にほんの1~2センチ程度、石を載せない金属部分を作ることもあります。
指輪をはめた手でドアノブなどを触って、ダイヤでドア等に傷をつけないようにするためです。
また、ほんのわずかながら、その部分を使ってサイズ直しをしたり、刻印を押したりもできるので、若干(数センチ)の隙間はあった方がいいと思います。

一文字の留め方にはいろいろな方法があります。
爪止め、覆輪止め、レール留め、堀留めと、どの方法を使っても可能です。
こちらの画像は堀留です。
石のガードルが見えるようにすれすれのところまで土台を彫り込んで留めています。

 
 
ジュエリーの留め方はほかにもまだいろいろあります。人気がある、よく見かける、という留め方をご紹介しました。
名称と形だけでも知っていただけると、楽しみが広がるのではないでしょうか。

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